從change最終回來分析月九日劇的一些情況...
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木村拓哉が総理大臣になる――鳴り物入りでスタートしたフジテレビ『CHANGE』
の放送が終了した。月曜夜9時、いわゆる月9枠はフジテレビの看板であり、放送
開始を通常より一カ月近く遅らせてライバル番組との差異化を図るなど必勝体勢
がとられていた。

“月9”で木村拓哉主演といえばヒットは約束されたようなもの、という考えは
ちょっと古い。

96年の『ロングバケーション』、97年の『ラブジェネレーション』はいずれも平
均視聴率30%近くをマークし、月9を代表するヒット作といえるだろう。01年の
『HERO』は平均視聴率33.9%、最高視聴率36.8%、全話で視聴率30%超えを果
たし民放の平均視聴率歴代2位という記録を打ち立てる大ヒット作となった。

しかし、04年の『プライド』は平均視聴率25.1%、05年の『エンジン』は平均視
聴率22.4%という平凡な数字に終わっている。数字以前にこの2作はドラマとして
印象が薄い。今、あらためて調べていても、「ああ、そんなドラマあったなぁ」と
思ったぐらいである。

ならば木村拓哉のピークは2001年だったのか。そんなことはない。TBSで放映され
た03年の『GOOD LUCK!!』平均視聴率30.6%、最高視聴率37.6%の大ヒット。同
じくTBSで放映された07年の『華麗なる一族』も平均視聴率こそ23.9%だったが最
終回は30.4%と尻上がりに数字を伸ばし、関西では最終回に瞬間最高44.9%という
驚異的な数字を叩き出した。なにより『華麗なる一族』はドラマとして、数字以上
のインパクトがあった。余談だが、今話題のソフトバンク携帯のCMで犬の声優とし
て北大路欣也が起用されているのは、間違いなくこのドラマの影響である。

ならば、とフジテレビ月9班が燃えないはずがない。まずは、阿部寛、深津絵里、寺
尾聰などの主演クラスの豪華キャストを投入し、ほかにも中村敦夫、神山繁、高橋
英樹などの大物俳優たちを脇に配した。また、総理大臣事務秘書官である西村雅彦
、平泉成、矢島健一は明らかに『華麗なる一族』を意識したキャスティングであろ
う(全員『華麗なる~』の出演者)。エンディングテーマはなんとマドンナに依頼
。スポンサーであるトヨタのCMにも木村や出演者のひとりである加藤ローサが出演し
、続く10時からは人気番組『SMAP×SMAP』でバックアップ。これ以上ないほどの力
の入れ具合だったが……思うような結果を導くことはできなかったようだ。

視聴率はずっと20%台前半をウロウロ。場合によっては20%を割ってしまうことも
あった(最終話の数字はこれを書いている時点で不明)。なにより、視聴率では
『ごくせん』を超えられず、話題性では『ラスト・フレンズ』に勝てなかった。
『ロングバケーション』や『HERO』のような視聴率も、『華麗なる一族』のような
ブームを作り出すことができなかったのである。


ここ数年、ヒットしているドラマにはある傾向がある。ひとつは『ラスト・フレンズ』
のようなストーリーの重さ、登場人物の心情の痛々しさを視聴者にダイレクトに伝え
るようなドラマ。主役の木村が最終回に自殺してしまう『華麗なる一族』や『白い巨塔』
『砂の器』などの文芸作品を原作としたリメイクドラマも軒並みヒットを記録した。
7月からの新番組では『コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命』がそれにあたるドラマ
である。文芸ドラマは高い年齢層の視聴者を獲得したが、『ラスト・フレンズ』などは
現在20代女性が中心のケータイ小説読者層が視聴者になっていると思われる。

もうひとつの傾向は、『のだめカンタービレ』『花より男子』など、コミックを原作に
したストーリーの明るさ、軽さを売りにしたドラマである。もちろん『ごくせん』や
『花ざかりの君たちへ イケメン♂パラダイス』もこのタイプと考えていいだろう。
こちらは10代を中心にした若年層と、30代以上のコミック読者層が主な視聴者になって
いる(イケメン俳優のファン層も同じく10代と30代以上だろう)。

また、作りこみの精度を高め、視聴率は取れなくてもカルト的な人気を得るドラマも
ある。『相棒』『ちりとてちん』、子供向けではあるが『仮面ライダー電王』などの
ドラマは視聴率こそ目立たないが熱心なファンが多く、映画化されたりDVDの売上記
録を樹立したりしている。このタイプのドラマは幅広い年齢層のファンを得ることが
多い(数としては前2者に比べると少ないが)。

そのどれにも当てはまらず、視聴率、話題性、熱心なファンのいずれも得ることがで
きないのが、かつて栄華を誇った“月9的”なドラマではないだろうか?

我々が月9と聞いて思い浮かべるもの。それがいわゆる“月9的”な要素である。

たとえば“若者に人気のあるスターの競演(これは今はほとんどのドラマがそうだが)”
“特殊な業界を舞台にしたストーリー(もともと月9は業界ドラマが多かった)”“明
るい雰囲気の中で繰り広げられる登場人物の軽妙なやりとり(トレンディドラマの残滓)
”などなど。もちろん恋愛の要素はストーリーの軸になっているはずだし、主人公は明
るく前向きで周囲を騒動に巻き込みながら誠実に前進していくタイプが多い。

“月9的”とは、きわめて抽象的な表現であり、すべての月9ドラマにあてはまるわけ
ではない(重い展開を得意としている脚本家、野島伸司は月9で実に10本ものドラマの
脚本を手がけている。これは月9に関わった脚本家のなかでは最多の本数である)。した
がって異論も多々あるだろうが、これらが私のイメージする“月9的”な要素である。

『CHANGE』は上記の“月9的”な要素がすべて投入されている、いかにも月9らしい
ドラマだった。主演級スターの競演、舞台は政治の世界、重厚なストーリーより軽妙な
やりとりに傾いていた脚本、木村拓哉扮する総理大臣と深津絵里扮する秘書官の秘めた
恋、主人公の誠実な態度で頑ななまわりの人々を動かしていく展開。これらの要素はい
ずれも“月9的”であり、『CHANGE』が意欲作ではなく、月9の伝統を守った保守的な
ドラマであることを示している。

そして『CHANGE』は記録的な視聴率的を獲得することもできず、大きな話題を巻き起
こすこともないまま最終回を迎えることになった。月9ドラマ、つまり“月9的”な要
素を色濃く持つドラマは今の視聴者にはすでに飽きられてしまった、もしくは受け入
れられないものになってしまっているのではないだろうか。だとすると、月9ドラマが
人気を再び獲得するためには“変化”していくしかないだろう。そのことを浮き彫り
にしたのが『CHANGE』というタイトルのドラマであったのは、ちょっと皮肉な話である。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080715-00000006-tsuka-ent
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